眼瞼けいれん
眼瞼けいれん
眼瞼けいれんは、まぶたを閉じる筋肉(眼輪筋)が、自分の意思とは無関係にけいれんする病気です。けいれんという名前がついていますが、まぶたがピクピクするような病気ではなく、まばたきのコントロールに異常が出る病気です。まばたきが増えたり、まぶしさを感じたりすることから始まり、症状が重くなるとまぶたが開かなくなって、目が見えない状態にまで進んでしまうこともあります。まぶしい光やストレスにより、症状は悪化します。
中高年の女性に多く見られ、通常は両眼性ですが、片眼性の場合もあり、唇にも異常を感じるケースもあります。
眼瞼けいれんと似ている症状を示す病気はいくつかあります。
片側の顔の筋肉がピクピクとけいれんしたり、引きつったりするという症状がみられます。
疲れや睡眠不足などがきっかけで、左右片側の上または下まぶたの筋肉の表面がピクピクしますが、やがて症状は消えます。
まぶしい、目が乾くなどの自覚症状が眼瞼けいれんと一見似ています。
いったん閉じたまぶたを開くのが困難になる症状がみられます。眼瞼けいれんと合併することが多い病気です。
片側顔面けいれんと同じようなまばたきや顔しかめなどの症状が出ますが、自分の意志でコントロールでき、けいれんの場所が移動するのが特徴です。
これらの病気は、それぞれ治療方法が異なります。顔の運動異常の症状が現れたら、自分で判断せずに、まずは眼科や神経内科、脳神経外科など専門医の受診をお勧めします。
「片目の下まぶたがピクピクけいれんして、なかなか治らない」といった症状で受診される患者さんも多くいらっしゃいます。これは、睡眠不足やストレスなどによる一過性の神経の興奮と考えられ、このほとんどは一過性の症状であり、多くはいつの間にか自然に治ってしまいます。これは真の眼瞼けいれんとは異なりますので、心配ありません。
「まばたきが多くなってきた」「まぶしさを感じるようになってきた」「まぶたが重くて開けられない」などの症状が出てきたら、お早目にご相談ください。
当院ではボトックス注射(保険診療)をおこなっております。片目に6か所程度注射をします。効果は比較的早めに出現し、1週間くらいで効果が出現します。効果は3〜6ヶ月継続することが多いです。合併症としては皮下の出血があります。まれにまぶたを上げる筋肉に注射の影響が出て、まぶたが下がってしまう(眼瞼下垂)ことがありますが、注射の効果が消えるにつれて症状は改善します。これらの合併症はどなたにも一定の確率でおこることがあります。
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