単純ヘルペスの治療には、抗ウイルス薬が処方されます。皮膚の水疱に対しては外用薬が使用されます。
現在、日本で処方される抗ウイルス薬は3種類です。
- アシクロビル(ゾビラックス®)
- バラシクロビル(バルトレックス®)
- ファムシクロビル(ファムビル®)
いずれの薬も5日間内服していただきます。これらは内服後すぐに効果が出るわけではないので、しっかりと飲み続けることが重要です。バラシクロビルは1日2回、ファムシクロビルは1日3回なのに対してアシクロビルは1日5回の内服が必要となります。
帯状疱疹・単純ヘルペス
子どもの頃に感染した水痘(水ぼうそう)と同じ水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が、疲れやストレスなどの影響で体の免疫力が下がったときに再び活動を始めることによって起こる病気です。通常、体の左右どちらかの神経の流れに沿って、帯状に痛みを伴う赤いブツブツとした発疹や水ぶくれが生じます。3週間ほどで治ることが多いですが、早期に治療を始めないと「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる神経の痛みが長期間続くことがあります。また、目の周りや鼻の先端に水疱が出現すると、角膜炎・網膜炎などの眼合併症を引き起こすことがあるので注意が必要です。顔面神経麻痺、めまい、難聴を引き起こすRamsay Hunt症候群の原因となることもあります。問診や視診で診断がつくことが多いですが、診断に迷う場合は診断キット(デルマクイックVZV)を使うこともあります。帯状疱疹のウイルスは人から人にうつることがあります。接触感染ですので、患部を触った手で他の人に触ったりするとうつることがあります。ただし、水痘にかかったことがある人にはうつりません。まだ水痘にかかってない人や乳幼児が近くにいる場合は注意してください。
一般的には、胸、腹部、背中、顔、頭部などの左右どちらかに、はじめはピリピリ・チクチクといった神経痛のような痛みが起こります。その後、ブツブツとした赤みのある発疹と水ぶくれが帯状に生じて、痛みが次第に増してきます。眠れないほど痛むこともあり、仕事や家事などの日常生活に支障を来すこともあります。同時に発熱、リンパ節の腫れ、頭痛が見られることもあります。
帯状疱疹の治療には、抗ウイルス薬が処方されます。その他としては痛みに対する鎮痛薬、赤外線療法、神経の痺れに対するビタミン剤、皮膚の水疱に対しては外用薬が使用されます。
現在、日本で処方される抗ウイルス薬は3種類です。
いずれの薬も7日間内服していただきます。これらは内服後すぐに効果が出るわけではないので、しっかりと飲み続けることが重要です。これらの抗ウイルス薬は、皮疹出現後の72時間以内に内服開始するのが望ましいとされています。バラシクロビルとファムシクロビルは1日3回内服する必要がありますがアメナメビルは1日1回の内服で効果があります。また、バラシクロビルとファムシクロビルは腎機能に影響がありますが、アメナメビルはそれがないので服用しやすいことが特徴です。
当院では帯状疱疹後神経痛に対して近赤外線治療器スーパーライザーを用いた光線照射法をおこなっています。これは熱エネルギーの温熱効果を利用して照射部位の血行を改善させ鎮痛効果を得るものになります。
単純ヘルペスウイルス(HSV-1、HSV-2)を原因とし、顔や性器に小さな水ぶくれを多数作る病気です。有名なのは唇の周りにできる「口唇ヘルペス」、男女ともに陰部にできる「性器ヘルペス」ですが、体のどこにでもできる可能性はあります。初感染のあと、神経の中にヘルペスウイルスが潜伏感染し、発熱やストレス、疲労、日光などの刺激で免疫が低下すると、ウイルスが増えて発症します。しばしば再発を繰り返しますが初発時より症状は軽いことが多いです。
強い感染力を持つので食器やタオルなど介して家族にうつることもあります。性器ヘルペスは性行為によって感染します。
帯状疱疹や他の湿疹などと鑑別が難しい場合は診断キット(デルマクイックHSV)を使うこともあります。
口唇ヘルペスの場合、唇やその周りに小さな水ぶくれができる。チクチク、ピリピリといった不快な痛みや痒みがでる。口の周りが一部赤く腫れるなどの症状があります。
性器ヘルペスの場合、性器に水疱や潰瘍ができる。うずくような痛みやヒリヒリ感がある。太もものリンパ節が腫れる。発熱などの症状があります。
単純ヘルペスの治療には、抗ウイルス薬が処方されます。皮膚の水疱に対しては外用薬が使用されます。
現在、日本で処方される抗ウイルス薬は3種類です。
いずれの薬も5日間内服していただきます。これらは内服後すぐに効果が出るわけではないので、しっかりと飲み続けることが重要です。バラシクロビルは1日2回、ファムシクロビルは1日3回なのに対してアシクロビルは1日5回の内服が必要となります。
単純ヘルペスは再発を繰り返すため、あらかじめ内服薬を処方してもらうことが可能です。この方法は、あらかじめ処方された薬を患者さんの判断で内服するのでPIT(Patient Initiated Therapy)と言います。
PITで用いられる薬はファムシクロビル(ファムビル®)もしくはアメナメビル(アメナリーフ®)です。症状出現後6時間以内に内服する必要がありますので注意が必要です。
ヘルペスの初期症状が出現後速やか(6時間以内)にファムビル(250)を4錠内服します。さらに12時間後に4錠内服します。これにより症状の改善が期待できます。
ヘルペスの初期症状が出現後速やか(6時間以内)にアメナリーフ(200)を6錠内服します。2回目の内服はありません。これにより症状の改善が期待できます。
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