口唇炎・口角炎
口唇炎・口角炎
唇(口唇)や唇の角(口角)が何らかの原因で炎症を起こしている状態です。
症状としては、口唇・口角が腫れたり、皮が剥けたり、水脹れができたりします。痒みよりも痛みやヒリヒリ感を伴うことが多いです。似たような疾患には口唇ヘルペスがあります。
原因によって幾つかの分類があります。
唇に接触したものが原因となります。いわゆるかぶれです。唇に塗るものや歯磨きに関連するもの、食事、歯科治療に関連するものなどが原因となることが多いです。また、シャンプーやリンス、洗顔料などが唇に付着することが原因となることもあります。
口紅では、紅色の染料である、エオシン、アゾ系色素、カルミン、ナノリン、アズレンといった成分が原因となります。
リップ・クリームでも、口唇保護材が含むラノリン、メントール、サリチル酸フェニルなどが原因となります。
歯磨き粉や口腔内洗浄剤(うがい薬)に含まれるラウリル硫酸ナトリウム、ピロリン酸、ペパーミント・オイル、スペアミント・オイル、クローブ・オイルなどが原因となります。
歯科治療に用いられる水銀は、口唇炎の原因として、多いものの一つとされています。他の歯科治療剤としては、オイゲノール、冠(クラウン)・橋(ブリッジ)を作る際の充填剤も、口唇炎を起こします。
食物では、ペパーミント、スペアミント、柑橘類、ナッツ類、マンゴー、パイナップルなども原因となります。また、マカロンやいちごジュースなど赤い色素(カルミン)を使用している食品も原因となります。
その他、金管楽器、木管楽器など楽器が原因になることもあります。
長期間続く唇の皮むけが特徴で、明らかな原因を特定できないことも多いです。乾燥や紫外線などの環境因子の他に、心因的なものが原因になることもあります。
小児などでみられる「舌なめずり病」も、この中に含まれます。
長年紫外線に曝露されることにより生じるもので下口唇に多く見られます。
唇が突然腫れて、良くなったりまた悪くなったりを繰り返している内に、持続性の硬い腫脹になります。
金属アレルギーや歯の感染が原因となる場合もありますが、ほとんどが原因不明です。
カンジダというカビの一種で口唇炎になることもあります。唇や口角、口腔内に白いコケなようなもの(白苔)を認めることがあります。
接触性であることが明らかな場合は、その原因となるものを避けていただきます。外用薬としてステロイド軟膏を処方することが多いですが、それに加えて保湿も重要ですのでワセリンを処方することもあります。ビタミン不足は口唇炎・口角炎を引き起こすことがありますので必要に応じてビタミン剤の内服薬も併用します。カンジダが原因である場合は抗真菌薬の外用薬を使用します。
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