2024年11月12
陥入爪とは
巻き爪が進行し肉の部分に曲がった爪がどんどん食い込み、次第に激しい痛みを引き起こすようになります。これが陥入爪です。食い込んだ部分は炎症を繰り返し、不良肉芽という組織を形成して腫れ上がってきます。こうなると悪循環を起こします。腫れた部分にさらに爪が刺さりさらに腫れるの繰り返しです。
陥入爪の治療法は
こうなると刺さっている爪を除去しない限り改善は難しいです。麻酔をして刺さっている爪をとってしまえば一時的に症状は落ち着くことがほとんどです。ただし、数ヶ月して爪が生えてくるとまた癖のついた巻き爪が生えてきて脇の肉に刺さってしまうことが多いです。そうなるとまた陥入爪の状態に逆戻りです。
そうなることを防ぐのがフェノール法と呼ばれる手術です。これはフェノールという腐食性の薬品で爪の根元にある爪母と呼ばれる部分を処理する方法です。爪母は名の通り爪を生み出す工場です。この部分をフェノールで処理すると爪が作られなくなります。爪が生えなくなるの?と心配する方も多いですが、あくまで処理するのは巻き爪が生えてくる部分だけです。処理しない部分は今まで通り爪が生えてきますのでご安心ください。
フェノール法の実際
- 指の根元に麻酔を打ちます。
- 指の根元をゴムで縛り指から血が出るのを防ぎます。
- 巻いている部分の爪を根元まで切って除去します。
- 根元にある爪母の部分にフェノールを塗って5分待ちます。
- 止血を確認してガーゼを当てて終了です。
注意点など
- 手術にかかる時間は10分くらいです。
- 手術の後は傷に厚めのガーゼをあてるので履いてきた靴が履けなくなることがあります。足先の開いたサンダルなどをご用意ください。
- 手術後は歩き回ったりせずに安静にしてください。
- 糖尿病や動脈硬化で足の血流が悪い方には手術できないことがあります。
- 爪は一部分が生えてこなくなるので、爪の幅は若干狭くなります。