2025年4月10日
皮弁法とは
腋臭症の治療法の一つです。皮膚を剥がし、直視下に腋臭症の原因となるアポクリン汗腺を除去する方法です。
手術は局所麻酔下で行います。手術時間は片側で45分程度かかります。術後は創部を圧迫するためにガーゼをワキに固定します(タイオーバー)。これは術後5日程度固定したままになります。皮弁法で一番怖いのは術後の出血です。剥がした皮膚の下に血が溜まると、皮膚が壊死する可能性があるのでこの固定は非常に重要です。
術後は腕の安静が必要になります。具体的にはワキを広げる動作を可能な限り制限していただきます。これを約1週間程度続けます。
術後の行動制限を考えると片側ずつ手術するのがおすすめです。両側同時に手術すると両手が挙げられないので、服の脱ぎ着や洗髪などがかなり面倒になります。片側の手術が終わり、傷が落ち着いた1ヶ月後位にもう片側を手術するのがおすすめです。
術後1週間で抜糸になりますが、それまでの間は頻回の通院をお願いしています。これは出血の有無を確認したり、感染を起こしていないかを確認するためです。
皮弁法の長所
アポクリン汗腺を除去するので症状が軽減し、再発も防ぎます。
同時にエクリン汗腺も除去するので汗の減少も期待できます。汗が減ることでニオイも軽減します。
皮弁法の短所
ワキに傷が残ります。半年程度で薄くなりますが、完全に傷跡が消えることはありません。
前述しましたが、術後の安静と頻回な通院が必要になります。ガーゼの固定(タイオーバー)を解除するまでは傷の部分は濡らせません。
ガーゼのテープ固定を行うのでテープかぶれが起こることがあります。
皮膚の壊死。術後に出血して皮膚の下に血が溜まると皮膚が壊死を起こすことがあります。
手術方法
- アポクリン汗腺が多い部分を中心として皮膚を紡錘状に切除します。
- 周囲の皮膚を剥がします。
- 皮膚の裏にあるアポクリン汗腺を可能な限り除去します。
- 止血して皮膚を縫います。血抜きの管(ドレーン)を入れます。
- ガーゼの束を縫い付けて圧迫固定します(タイオーバー)。
- さらに上からテープで補強します



